『燃えつきた地図』(1967年)

作風は『砂の女』と、まあ、同じ。主人公の男には「言っていることはわかるけど、態度が傲慢」と思いつつも、日常の場面で心中で思っても口には出せないことを代弁してもらったかのような開放感を持ってしまう。『砂の女』ほど物語はエキサイティングでない…

『砂の女』(1962年)

主人公の男の傲慢な態度に不快感をたまに持ったが、比喩の細かさ、日ごろ思ってはいても、やはり他人とはなかなかシェアできないようなことがズバリと書かれているところなどに引き込まれた。大真面目調で「悪臭と言っても、自分の足の臭いならいいにおい」…

『不機嫌の時代』 1986年(講談社学術文庫 2002年)

素晴らしい。読み応えあり。旧仮名遣いでも許せる。文庫本に980円も出したのがもったいなくない 夏目漱石の小説に出てくるキャラに私が感じてしまう嫌悪感の正体をついに解説されてしまった。カタルシスの意味を知る(w 私なんかは、「他人を見下しておきな…

Catch-22 1961年

■書籍データ ISBN:0099477319 ■日本語訳 ISBN:4150401330 ■キーワード ジョーセフ・ヘラー

(編著)『昭和史がおもしろい』 1997年(文春文庫 2000年)

対談形式だと知らずに買ってしまった こういう対談ものっちゅーのは(きっと米原万里のエッセイみたいなのも)、雑誌でちょこちょこ読むにはおもしろいんだけど、わざわざ一冊買って読むには物足りない。日本近代史関係の書籍で、すごくおもしろい(最後の〆…

『不実な美女か貞淑な醜女か』(新潮文庫 1994年)

わかりきったことがくどくどと書いてある。速読するに限る 書いてあることには賛成できないことよりもできる部分のほうが多いのだけど、井戸端会議的にとりとめがなく、書籍で読むには全くおもしろくない 要するに、文章が下手 結論「異文化交流体験者の異文…

The Imaginary Girlfriend 1996年

主にレスリングを中心にした回想録 A Prayer for Owen Meany の原点が垣間見れるような内容 Günter Grass, G・ガルシア=マルケス (García Márquez), Robertson Davies が誉められキャラ Graham Greene がとりわけ誉められキャラ J. D. Salinger の The Catc…

『傑作の条件』 1989年

(文春文庫 1992年 ISBN4-16-717003-5) 第Ⅰ部の「紙上の花吹雪」は漢文や詩の話が多くて、私は置いてけぼりっ子 篠沢教授のフランス文学史講義に興味引かれる(「型破りのフランス文学史」) 紹介されていた司馬遼太郎のアイルランド紀行文には感心しない。…

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アウトドア Sierra Blanca (Refugio de Juanar) Parque Natural Sierra de las Nieves Parque Natural de Ardales Parque Natural de la Sierra (Sierra de Grazalema) 食い倒れ gaspacho オリーブは緑、やや苦い 英国植民地領を見学 Torremolinos La Duques…

『唐獅子株式会社』(新潮文庫 1981年)

ISBN:4101158010 ■キーワード 小林信彦

『文章読本』 1988年

(文春文庫 1991年 ISBN4-16-717002-7) 著書にとりあげられる文学作品のなかで読みたいと思わせるものがいくつもあった。斎藤美奈子の評論を読むと「ああ、もう読まなくていいや」と思うものがほとんど全部なのと対照的 共感することが多く、自分自身の反省…

『華岡青洲の妻』(1970年)

ISBN:4101132062 たいへん読みごたえのある作品。ただし、もしかしたらこういう人間模様のドロドロしたのって、男性には受けないのかも。■キーワード 有吉佐和子

(日本語訳)『脂肪の塊・テリエ館』(新潮文庫 1951年)

ISBN:4102014020 電波分析結果: 『脂肪の塊』陰性、『テリエ館』疑陽性 モーパッサンという作家には電波臭がしてならない。しかし、1世紀以上前の人なんだからしょうがないのかとも思う。 文庫の巻末も、これまた興味がそそられないのばっかり。おフランスの…

『魔法の舌 身体に必要なものを美味しいと感じる不思議なしくみ』

栄養学として読むより、文化比較論として読んでおもしろい。 「アメリカは第二の祖国だと思っているので、つい気安く批判してしまう」という一文が身にしみた。 ■キーワード 伏木亨

『二つの祖国』(1986年)

ISBN:4101104190 ISBN:4101104204 ISBN:4101104212 電波分析結果: 陽性 最初から最後まで怒涛の電波シーンが決め手(テーマはまともなのに…)。報告書は力作となりそうな予感 ■キーワード 山崎豊子

『文学的商品学』(2004年)

いつもなら文庫や新書しか買わない。新刊書は高いし場所をとるし、文庫や新書になると加筆修正されたり、文庫版や新書版のあとがきが加わるのが通常であることを考えると、損な買い物である。しかし、我慢できずに買ってしまった。寸評としては「ちょっと期…

『日本語練習帳』(岩波新書 1991年)

問題練習はやらない ■キーワード 大野晋

『文学部唯野教授の女性問答』1992年 (中公文庫 1997年)

ISBN:4122028892 わざわざ定価で買って読むほどの本とは思わないが、かなり笑えたので、入手できた幸運に感謝 唯野教授のおっしゃることにいちいち賛成できるというわけでもないけど ■キーワード 筒井康隆

『文学部唯野教授』1990年 (岩波現代文庫 2001年)

ISBN:4006020015 「哲学」を「文芸批評論」に、「ミステリー」を「揶揄」に置き換え、ヨースタイン・ゴルデルの『ソフィーの世界』をう〜〜〜んと下品にした作品と考えて差し支えない。狂気と知性のきわどさがたまらない。私は筒井先生がよくおっしゃるとこ…

積読

■1ポンドと50ペンスの名作 ISBN:0140622306 James Joyce(ジェームス・ジョイス) © 1916 A Portrait of the Artist as a Young Man Fyodor Dostoyevsky (ドストエフスキー) 【英語訳】Crime and Punishment ■古本で環境にやさしい私 大江健三郎 ©1988 『…

The Godfather 1969年

ISBN:0099429284 暴力シーン、セックスシーンが多く、画像で見るに耐えるかどうかは私には自信がないのだが、ビジネスの考え方が興味深く、決して読んで損はない 紆余曲折があっても、終盤にかけて物語のヒーローの思い通りにすべて進んでしまう手際のよさが…