2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Dr. Orwell and Mr. Blair 1994年

Animal Farm と Nineteen Eighty-Four を台本にして George Orwell の伝記を小説風にアレンジしたもの。突っ込みはさほど鋭くないが、Orwell 先生について浅く広くつまみ食いできるところがよい 農場の所有者 Jones に Alex という息子がいて、Mr. Jones が…

『鼠−鈴木商店焼打ち事件−』1975年

ISBN:4167139014 大正7年、一介の商店から三井・三菱と並ぶ大商社となった鈴木商店の栄枯衰退物語 「鈴木商店が米を買い占めている」という噂の真相が「みんながそう言ってたから」程度の根拠で、米騒動のターゲットにされた鈴木商店は貧乏くじを引いた 「一…

『明治・父・アメリカ』1975年(新潮文庫 1978年)

ISBN:4101098174 星一(星製薬の創始者)の伝記 『遠き落日』の野口英世と同時代に生きた人として、田舎出身で努力家であるところは共通していながら、こちらは倹約家で人々から信頼されるキャラ こういう「いい人」キャラの話は、道徳の教科書的になったり…

『あなたの知らないガリバー旅行記』1985年(新潮文庫 1988年)

ISBN:4101255105 古典の解説のついでにご自分のお話も交じり、よく言えば堅苦しくなく、悪く言えば突っ込みが中途半端 「アイルランドにおける貧民の子女が、その両親ならびに国家にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方…

『ガリバー旅行記』

青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/000912/card4673.html 【原作】Gulliver's Travels 1726年(1ポンドと50ペンスの名作)ISBN:0140620842 小説としてはそこそこおもしろいだけだが、18世紀そこそこに、このような反社会的思想を発表した肝っ玉がすご…

『おろしや国酔夢譚』1974年 (徳間文庫 1991年)

ISBN:419599358X 光太夫はいい男。頭がよく、好奇心旺盛で、しぶとく生きる術にも長け、責任感が強く、プライドが高く、礼儀正しい。特に、根拠のあるプライドが、それを誇示しなくても人々に伝わってしまうのは素敵、しびれます この物語においては、確かに…

The Real Life of Sebastian Knight 1941年

ISBN:0141185996 芸術家の弁解めいていて、共感はできない Sebastian Knight は芸術家なのでもちろんのこと、その弟も高慢な印象。自分の都合が絶対的に正当であり、人の都合なんか眼中にない 心情的にのめりこむことはできなかったが、物語の構成は均整が取…