『不機嫌の時代』 1986年(講談社学術文庫 2002年)

  • 素晴らしい。読み応えあり。旧仮名遣いでも許せる。文庫本に980円も出したのがもったいなくない
  • 夏目漱石の小説に出てくるキャラに私が感じてしまう嫌悪感の正体をついに解説されてしまった。カタルシスの意味を知る(w
  • 私なんかは、「他人を見下しておきながら、自分のこととなると言い訳大会を開き、知性でもって自己弁護に終始することしか能がないくせに!」とむかっ腹が立ち、ついつい「パンツ野郎」呼ばわりしたくなるのに、山崎先生は文芸評論の場で著者や作中人物に善悪の評価を下さない。自分なりの好みや評価があっても、それがお呼びでないときには徹底的に自制する心構えに感動
  • 評論の対象となるのは、森鴎外夏目漱石永井荷風志賀直哉
  • 永井荷風は全く読んだことがないので、古本で安売りしてるのを見つけたら1冊(だけ)読んでみてもいい。いちおう知識として
  • 森鴎外の自己自制には興味が沸く。古い文体を我慢してでも、1冊くらいなにかを読んでみたいと思う
  • 森鴎外以外は、西洋文化との出会いに挫折派か。こちらの元気が吸い取られそうだから、積極的に読みたいとは思わない

■書籍データ
不機嫌の時代 不機嫌からの精神史的考察 (講談社学術文庫)
■キーワード
山崎正和