『夢の木坂分岐点』 1987年

ISBN:4101171246 第1章を読んで、おもしろすぎた。主人公の小畑重則がいつのまにか大畑重則になっていて、いまひとつよくわからず、慌てた。第5章あたりでなんとか作品の趣向が飲み込めた(ような気がする)。全8章。解説は井口時男

筒井先生の日本語使いは素晴らしい。低俗と知性の交じり合い。惚れ惚れする。自分のことを「ぼく」って言う感覚よりも、「おれ」って言う感覚のほうに親近感を持つ。

肝心のファンタジー的な物語のスタイルについては、あまり積極的に好きというわけではないんだけど、作中人物の言うことなすことがおもしろくて、ついつい読んでしまうという感じ。

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筒井康隆