『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』1970年(新潮文庫 1982年)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1982/09/28
- メディア: 文庫
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ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望をいだいた一人の若者―父である法王アレッサンドロ六世の教会勢力を背景に、弟妹を利用し、妻方の親族フランス王ルイ十二世の全面的援助を受け、自分の王国を創立しようとする。熟練した戦略家たちもかなわなかった彼の“優雅なる冷酷”とは。<毒を盛る男>として歴史に名を残したマキアヴェリズムの体現者、チェーザレ・ボルジアの生涯。
- 登場人物が多いので最初がしんどかったが、読み進むうちに面白くなった。『ルネサンスの女たち』を先に読んでおいたのは正解
- チェーザレ・ボルジアみたいな男の生き方に塩野先生が入れ込んだのは理解できる
- 太宰治にドン・ミケロットについて短編小説を書いてほしいと思う。表舞台には出てこないが、チェーザレが信頼を置き、チェーザレにも最後まで忠実だったこの男。私はこういう影の頭脳タイプに興味がわきます
- ニッコロ・マキアヴェリの『君主論』読んでみたくなった。マキアヴェリは傍観者タイプか
- 沢木耕太郎の解説が、ちゃんと解説になっていて素晴らしい。
■沢木耕太郎の的を射た解説
なぜ塩野先生がチェーザレ・ボルジアの生涯を書こうとしたのかというと
歴史の闇の奥に追い立てられ、不当な扱いを受けているチェーザレを、自らの手で救出するのだという物書きとしての野心
うん、プロの物書きのプライドってこういう風にあらわれるのですね。そして、塩野先生の文章については
背徳的といわれる行為をも、その自由さにおいて認める寛容さと、価値の鎖にしばられ自由を行使し得ない者へのあからさまな嫌悪、軽蔑
ぴったしかんかんですね。
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塩野七生 チェーザレ・ボルジア